【slippyⅢの概要】
【オモリ本体とスリッピーチューブ】
オモリ本体とスリッピーチューブから構成されます。オモリ本体に砂の摩擦力が働けないスリッピーチューブを装着して使用します。つまりスリッピーチューブは交換可能な消耗品となって復活しています。
スリッピーチューブの内径は若干緩めに製作しています。ステンレスパイプ径との相性によって、ロットにより緩かったり硬かったりしますので、計画的に緩めに製作して径調整用の付属シールで調整することで解決しています。付属シールで硬すぎず緩すぎずになるように調整して装着してください。付属シールは何度も剥がせるシールを使っていますので何回も貼ったり剥がしたりして調整出来ます。
なお、お好みで例えばホログラムシートなどを個人で選んで貼ることも可能と思います。
【引き重りのイメージ比較】
スリッピーⅢの引き重りイメージ図です。単なる引き重りの負荷を実測して数値化しただけですので引き心地の性格を表すものではありません。グラフは単に軽いか重たいかだけをイメージしています。
簡易にジャンル分けしてイメージとして比較していますが、オモリのタイプによって変動しますので参考程度としてください。
また、砂質が細かく泥状の場合や、砂質の比重が軽い鉱物で、沈んでしまう場合にはスリッピーⅢの効果は薄くなります。スリッピーⅢは砂に潜らないことで威力を発揮するタイプなので潜ってしまう場合には、むしろタングステンのように細身のオモリの方が引き重りは軽くなったりもします。
【引き重りのしくみ】
slippyⅢの構造や作用を図示しています。
上図を見ると、引き重りとは、【摩擦抵抗】+【重力(坂道)の分力】であることが解ります。
摩擦抵抗が大きすぎると、傾斜によって重たいのか? それとも平坦なのに摩擦抵抗(砂質)で重たいのか? 判別しにくい事も考えられます。その摩擦抵抗を限りなくゼロに出来たとして、それでも引き重りが重たかった場合、そこは間違いなく坂道(かけ上がり)と言えます。
例えば従来のオモリで、引き重りが重くなる区間があって「かけ上がり」と思えるとします。ここでslippyⅢで引くと軽かったとします。その場合は「かけ上がり」ではなく、砂質に変化がある区間で、オモリが砂に埋まりやすい区間であったため重くなったと考える事が出来ます。地形的には平坦な区間と推測出来ます。
slippyⅢでも、「かけ上がり」は摩擦抵抗に関係なく、坂道を上るため重くなります。自転車で坂道を昇るのと同じです。坂道では摩擦抵抗に関係なく重くなります。
その摩擦抵抗を限りなくゼロにすることには一旦成功しています。平坦な場所で潜らない砂質であれば、まるで氷の上を滑らせてるかのようにオモリが感じられなくなる事もあります。不思議な感覚の引き心地(操作性)となっています。
実際のところ摩擦抵抗も重要な情報源(砂の質)であるはずです。
・・・・なのですが、摩擦抵抗が極端に低いタイプのオモリってのを作ってみましたよ。・・・という感じです。
【スリッピーチューブの耐摩耗性・耐久性】
スリッピーⅠ(塗膜タイプ)は摩耗が激しく断念。スリッピーⅡ(シート巻タイプ)になり耐摩耗性は格段に改善されましたがシート剥がれが解決できずに断念。スリッピーⅢ(チューブ装着タイプ)になり剥がれ防止も解決し復活しました。さらにチューブ装着タイプなので消耗品として交換可能になったことで、擦り傷による性能低下に対しても問題解決に至りました。
耐摩耗性ではあるものの柔らかく粘りがある樹脂ですので、石・砂利のような硬く鋭利な海岸や岩場などでは傷が付いて性能低下したり、もしくは破損することもありますので予めご了承ください。
衝撃には弱いという性質は避けられませんので砂浜専用としてご使用ください。また投げる時に流木や小石などの障害物に当てると表面に亀裂が入ることがあります。
下の写真は投げる時に小石にぶつかって発生した亀裂です。ステンレスパイプまで傷跡が付いているのがわかると思います。チューブもズレています。そして引き裂かれています。このように衝撃に弱いため砂浜用として考えてください。砂浜であれば長期間性能を維持します。さらにスリッピーチューブは交換可能な消耗品に変更されたため、この課題も大きな問題ではなくなりました。
耐摩耗性ではあるものの柔らかく粘りがある樹脂ですので、石・砂利のような硬く鋭利な海岸や岩場などでは傷が付いて性能低下したり、もしくは破損することもありますので予めご了承ください。
衝撃には弱いという性質は避けられませんので砂浜専用としてご使用ください。また投げる時に流木や小石などの障害物に当てると表面に亀裂が入ることがあります。
下の写真は投げる時に小石にぶつかって発生した亀裂です。ステンレスパイプまで傷跡が付いているのがわかると思います。チューブもズレています。そして引き裂かれています。このように衝撃に弱いため砂浜用として考えてください。砂浜であれば長期間性能を維持します。さらにスリッピーチューブは交換可能な消耗品に変更されたため、この課題も大きな問題ではなくなりました。
【各号数の寸法構成】
スリッピーⅢは、ステンレスパイプ直胴部の長さは全て50mmで統一しています。50mm幅のホログラムシートなどはそのまま貼ることが出来ます。ステンレスパイプの直径は号数によりφ15とφ16があります。したがって、スリッピーチューブもφ15用とφ16用の2種類となっています。
号数 | 直径 | 直胴部長さ |
---|---|---|
22号 | φ15 | 50mm |
25号 | ||
27号 | ||
30号 | φ16 |
【スリッピーチューブ交換方法】
【交換可能なスリッピーチューブ】
超低摩擦樹脂のスリッピーチューブは交換可能です。耐摩擦性が高い樹脂ではありますが長い間使用すると砂で擦れて表面がスリガラスのようになってきます。それでも引き重りは従来オモリよりも比較的軽いのですが、新品に交換するとやはり滑り具合が断然違ってきます。
【交換の目安】
交換の目安としては使用者がどの程度の滑りを求めるかによって変わりますのでお客様の方でご判断ください。一度使ってみた感じでお好みで交換頻度を選んでください。
【古いスリッピーチューブの取り外し】
カッターナイフで切れ目を入れて剥ぎ取ってください。その際、下のステンレスパイプに傷がつくような強い力で切らないように軽く当てて切ってください。
【新しいスリッピーチューブの装着方法】
ステンレスパイプとスリッピーチューブは嵌め合いだけで固定しています。このためチューブを被せる際に、硬すぎると途中で入らなくなり、緩すぎると投げた時に外れてしまうことになります。
スリッピーチューブの内径は若干緩めに製作しています。ステンレスパイプ径との相性によって、ロットにより緩かったり硬かったりしますので、計画的に緩めに製作して径調整用の付属シールで調整することとしています。ロットによっては調整用シールが1枚も入らなかったり、1枚が丁度であったりします。平均的には1枚程度が適度な硬さになることが多いと思います。
【スリッピーチューブをきつく装着したい場合】
ちょっとでも釣り場でズレることなく硬く挿入したい場合、もしくは硬くて挿入できない場合には、スリッピーチューブとオモリを熱湯で温めてから挿入するとスムーズに挿入できます。特に夏場は砂が熱くスリッピーチューブが温められてズレやすくなることも考えられます。
【ニュートラとの互換性】
ニュートラとスリッピーⅢのステンレスパイプは同寸法で互換性がありますので、このスリッピーチューブはニュートラにも装着可能となっています。是非、ニュートラでもお楽しみください。
【ホログラムシート】
調整用シールの代わりにお好みでホログラムシートを挟むことも可能です。ホログラムシートはスリッピーチューブで被覆されますので痛まなくなります。ただしスリッピーチューブは乳白色透明なので反射がぼやけるのは避けられません。
【各部写真】
【ブログにて最新情報を発信】
キス釣りではラインから糸電話のように情報を読み取ります。それには快適な「引き心地」が欲しくなります。そこで引き重りが極端に軽く、砂に潜らず砂紋をトレースしてくれるオモリを作ってみました。
スリッピーⅢの引き重りの軽さは心地良いものになっています。砂質によっては氷の上を滑ってくる感じで軽すぎて使いにくいほどです。ただし泥質や比重が軽い砂質の場合はスリッピーⅢでも砂に潜ってしまうこともあります。引き重りは砂を動かす物量で決まりますので潜ってしまうとスリッピーⅢでも極端に軽い引き重りとはなりません。海岸によっては感触が変わってきます。予めご了承願います。
もう一つの特徴は、浮力体をほとんど内蔵していない短く小柄なオモリでの引き重り軽減となっています。号数の微調整程度の浮力体しか内臓していません。その結果、ちょっと違った感触の「引き心地」となっていますので是非お楽しみください。メリット、デメリットは下記のような感じだと思います。
【引き重りが軽いことのメリット】
・・・巻取りが軽く疲れずに快適にサビける。
・・・同じ天秤でもアタリの感度が向上する。
・・・リールサビキで軽くサビける。
【引き重りが軽いことのデメリット】
・・・オモリが海流で流されやすい。
・・・軽すぎて海底の状況が解りにくい。