ROCK
    mini dompo
    釣り部門

    <製作開始番号>

    001

    「根掛かり防止オモリROCK」

    (開拓報告書)

    販売していません

    ●岩礁で根掛かりしないオモリを開拓

    通常、投げ釣りは岩礁帯では根掛かりして釣りになりません。でも、もし根掛かりしなかったら釣れるのでは?という期待は誰もが思います。そんな岩礁帯でも根掛かりしないオモリの開拓に成功しました。

    根掛かり防止オモリROCK


    本体構造:樹脂パイプ

    内部オモリ :多層鉛

    内部フロート:多層スチレン

    トップ :硬質樹脂

    あれこれ写真集(アルバム)

    ◆完成品の各部写真集(※ありません)

    ◆製作工程の写真集(※ありません)

    ◆はちゃめちゃ試行錯誤写真集(※ありません)

    ◆ユーザーフィードバック情報集(※ありません)

    「根掛りしない投げ釣りオモリを構想!」

    1999年(冬)僕らは投げ釣りで岩礁帯でも根掛りしないオモリを開発始めました。以下はその回想ブログです。
    【僕】「良かもん考えたっちゃけど、FAXするけん見てん」
    【兄】「なんやー。また変なもんば思いついたとや?おくってんやい」
    <FAX送信>
    【兄】「おーい。こりゃ面白かばい。本当にこげんなるかいな?実際に作ってみろう」 というのが上のFAXで、以後3年間にわたる汗と涙の開発が始まった。
    「最初の構想図」

    <FAXで最初の構想図を送る>
    【僕】構想図つくってみた。見てみてん。
    【兄】なるほろ。なるほろ。
    「即、具現化されることに・・。」

    <早朝の電話にて>
    【兄】「おはようっす。作ってみたぜ。こっちにきてんやい」
    【僕】「えっ。本当?。よし、じゃあ今から行くけん」

    兄は、行動派であるが、手当たりしだいに具現化するのが趣味でもあった。兄の理念は「動かないと解からない事柄は山ほど多いのに、机上で考えても生きた答えはでない」という頑固さだ。 今までもずっと、その手法で凡人には発想できない方法で切りぬけてきている。 しかしながら、失敗したときには、この理念もいいわけに聞こえるから面白い。そしてそんなことが多い。(笑)
    <<実物拝見>>
    それは、FAXが実物大として立体的に出来ていた。 しばらく2人で眺めて・・・・・・・。 「こりゃ、確かに・・・根掛りせんばい」「・・・ばい」と胸が踊った。
    「最初の基本テスト実施される。」

    <夕方電話にて>
    【兄】「おーい、志賀島(福岡市)で投げてみたばい!」
    【僕】「えっ、どげんやった?」
    【兄】「どげんもこげんもなか。最高ばい。飛びっぷりも良いし、矢みたいに飛ぶぞ、これは」
    【兄】「おかしかっちゃん。少し離れたところのオジサンが、変な目で「じーっ」とこっち見よるけん、おかしかったばい。まあそれは良かばってん、まったく根掛りせんやったばい。何回も投げたけん大丈夫良かばい」
    【僕】「本当ね!」
    【兄】「うん。こりゃ良かみたいばい。これ商品として開発してみよう!だいたい投げ釣りって言ったら砂浜やろ?岩場で投げ釣りできたら何が釣れるかわからんたい」
    【僕】「磯での投げ釣りとか考えられんことばい。なんかワクワクばい。よし、やろうやろう」
    【兄】「じゃあ。まずこれ持ってそっちに行くけん見てくれん。そんでいっしょに実際に投げちゃろう」 (僕は、仕事の都合で長崎県の壱岐に半年の間、出張中であった。)
    【僕】「いつくるとね」
    【兄】「さっそく、今週末。もう少しバリエーションを増やして持ってくるけん。
    【僕】「OK」

    ・・・で作られて準備されたのが上の写真の試作品あれこれ・・・・
    「壱岐に兄が参上!」

    ○月△日 (午前:天候晴れ) <壱岐にて>
    兄は、フェリーで昼前に壱岐に着いた。なんか長い怪しげな筒を持っていたのでおかしかった。(笑) 明日実行テストです。その日の夜は近くの居酒屋で、このヘンテコなオモリの可能性をつまみに酒を飲みました。
    ○月△日 (天候晴れ) <翌日の壱岐にて>
    壱岐には、「鬼の足跡」という磯場がある。絵に描いたような粗い磯である。自分達を乗せた車は朝早くから、そこへ向かった。粗い岩が重なり合っていかにも根掛りしそうである。そんな海を見ながら二人はニヤニヤしていた。(今、考えるとあの時、誰かが見ていたら、さぞかし不気味な笑いに見えたに違いない)
    「「壱岐:鬼の足跡」で最初の一投目テスト!」

    【兄】「よし、どこでもいいけん投げてん!」
    【僕】「あそこの沈根の向こうに投げよう」
    「シュッ」・・・・「ズボッ」
    【僕】「よし、巻くばい」
    【兄】「よしGO!」
    「カリ、カリカリ、カリ、カリカリカリ・・・・・・」
    「カリカリカリカリ、カリカリカリ・・・・・・」
    「・・・・・・・・・」(たまに止めてみる)
    「カリ、カリ、クンッ・・、カリカリカリ・」
    「・・・・・・・・・・」(糸をゆるめてみる)
    「カリ、カリ、カリ、カリ、カリ・」
    【僕】「やったーっ。こんなところで全く根掛りせんばい。やってみてん」(交代)
    【兄】「ウーム。こりゃいいばい」
    【僕】「よし、とりあえずイメージと実施の確認は合格やねえ」

    パチパチパチパチ・・・ところがその夜・・・当たり前の事に気付く。
    「初回テスト整理。なんか長くないかという疑問?」

    <<その日の夜>>
    【僕】「構成的には結局のところ、パイプとオモリと金具に天秤やね。パイプは、弾力性があって硬い方が 良いやろ。しかも表面の摩擦係数が低い方が良い。ゴム質はダメやな。シリコンパイプのような物やな。オモリはステンレスか真鋳か、とにかく錆びなくて市販品であるヤツやな。天秤はどうしようか」
    【僕】「こりゃ、いろいろパターンがあるから手当たりしだいに当たることやな。それと長さやけど、なんか長くない?」
    【兄】「俺もそう思う。さすがに1.2mあると投げづらい」「スマート性や爽快感がいまいちやな」
    【僕】「ばってん、短くしたら根掛りせんかいな? 海底の岩はデカイのが多いばい」
    【僕】「ウーム。ウーム」
    僕は、はっきり言って不可能や逆境が好きである。どうしようのない事柄にぶつかると、内心ワクワクしている。何とか突破する方法をあれこれ考えるのが好きなのだ。僕の好きなフレーズは「できたらすばらしい。そんな不可能はもったいないから突破する」である。

    ですが、やっぱりここで進展がなくなり数ヶ月がたっていった。
    「兄から連絡あり」

    ○月△日 (数ヶ月経ったなんでもない日) <<電話にて>>
    【兄】「あれの短いの作ったばい。志賀島でテストしたけど短くても根掛りせんみたいばい。もっと厳しいところで今度テストしてみらん?」
    【僕】「今度の日曜日。相ノ島でどう?あそこは20cm~50cmの岩がゴロゴロ。あそこが一番厳しいと思う。」
    【兄】「よし、じゃあそうしよう。じゃあ日曜日に・・・。」
    「解決したはずが何故か根掛り連発」

    ○月△日 (相ノ島にて)
    朝早くからフェリーで20分、そこは福岡県糟屋郡新宮町の相ノ島に向かう。多少、風が強かったが、問題はなかった。島特有の東西南北のいずれかは必ずナギだからである。その日は1人ずつ竿を持っており、手際良く仕掛けを作った。
    【僕】「良しできた」
    【兄】「良しできた」
    「シュッ・・・・ズボッ・・・」
    「シュッ・・・・ズボンッ・・・」
    【兄】「ウーン良いねえ。まるで矢のように飛ぶねーなんか爽快感あるねー」

    そんな、ありふれた会話をしながら何回も投げた。
    【兄】「あれ、根掛りした」
    【僕】「たまにはすると思うよ。明らかにオモリより狭いところを道糸が通ればお手上げ。根掛りする回数が1/10になれば十分OKたい。仕掛けだって、予備をいっぱい作る必要もないし、第一仕掛けを全部取りかえる時間がもったいない。貴重な休日の時間は根掛りで少しでも無駄にしたくない。魚が掛かっていたらなおさらやろ」
    【兄】「それもそうやね。岩場で投げ釣りする人はおるみたいやし、オモリの予備を15~20本用意するらしい」
    【僕】「あれ、根掛りした」
    【兄】「あれ、また根掛りした」
    【僕】「岩の形状が悪すぎるのかなー。いや、魚網があるのかもしれん。いやいや島に入る水道管がこの辺やったばい。なんか自転車とか沈んどっちゃないと?」
    【兄】「あれ、また、根掛りした。おかしかばい、壱岐の時はほとんど根掛りせんかったのに。これで7本目やな」
    【僕】「あっ、海草かもしれんね?」
    【僕】「・・・・・・・・・・・・・・。??????」
    【兄】「どうしてやー。??????。なしかいなあ?」
    「秋だけど、寒いけど、潜って確認」

    ・しばしの沈黙・・・
    【僕】「そうたい。見てくれば解かるったい」(さっさと服を脱ぎ始めた)
    10月中旬とはいえ十分に寒かった。K氏は、こっちを見て大笑いしながら言った。
    【兄】「よかねえ。見てきい。そげんやないと物事は前にすすまんけん」
    僕は引っかかったラインをたどりながら数10m先の根掛り地点へ泳いだ。運良く、根掛り地点の水深は4m前後で潜れる範囲であった。 「ゴボボボボッ。あれ、引っかかってないぞ。???」 オモリは何の抵抗も無しに抜けた。他のオモリ6本も全部同じ状態で、岩と岩の間にイメージ通り立っていた。???。手で持つと、どれもスルッと抜けた。
    【僕】「あっ、(ゴボッ)そうか。テコの原理に(ゴボッ)なっとった(ゴボッ)だけやないか」
    7本のオモリを手に持ち体温の限界にきたA氏は、岸でニヤニヤしている兄のところに戻った。
    【兄】「どーやった?」
    【僕】「わかったよ。わかった。やっとわかった。ちょっと待って絵にかくけん。と、とにかく寒かばい」
    冷たい風に吹かれてガチガチ震えながら説明した。
    ※壱岐では1mの長さがあったので岩の間に挟まる事はなかったのだろう。志賀島ではちょっとした岩の隙間に挟まっただけで横から引っ張ってもテコでも動かずって感じだった。少し上方から引くとスポッと抜けるものばかり。 説明を聞いた兄がこんな事を言った。
    【兄】「なるほど、だからあのオモリだけ根掛りしなかったのか」
    【僕】「えっ。なんて言った?」
    【兄】「1本だけ根掛りしにくいのがあったんよ。これ見てみ。これだけは、柔らかいパイプを偶然
    使っとったったいね。これは根掛りしてなかったとよ。曲がった事で隙間から抜けてきてたんやない?」
    【僕】「今まで固く弾力性がある方が良いと思っていたけど、なるほど。曲がった方が良いってことかな?」
    この偶然がなかったら苦戦していたか断念していたかもしれない一件だった。
    「いろんな曲がるパターンでテスト繰返し」

    ○月△日 (まずはロープ式テスト)
    僕は、まだ壱岐にいた。早速、ロープ式のバージョンのテストを近くの港で行った。
    【僕】「うーーー。寒い」(たまに雪が降っていた)
    早速、仕掛け完了。
    「シュッ・・・・。ズボン・・・」
    「カリ、カリ、クンッ・・、カリカリカリ・」
    「クン、クン、グンッ、グンッ・・・」
    【僕】「あちゃ。引っかかった」
    「クン、クン、グンッ、グンッ・・・」
    【僕】「あちゃ。駄目ばい」
    近くのアジ釣りのオバサン達が変な目でこっちを見ていたが、このオモリをあれこれ開発するようになって僕も兄も、この変な目には慣れていた。何度かテストしたが、同じ結果だった。僕は浅いところに持っていってテストした。
    「クン、クン、グンッ、グンッ・・・」
    【僕】「なるほど。わかってきたかも!!」
    帰宅した僕は、兄に報告した。
    【僕】「また一つ、解かったばい。柔ければ柔いほど良いという訳ではないばい。あまり柔いと岩の隙間に張付いて、くい込む傾向がある」
    【兄】「なるほどね。そーかもしれんね」
    【僕】「つまり、パイプ断面形状は変化しない方が良いみたい」
    【兄】「条件が、だんだんしぼられてきたね」
    【僕】「よし、構成する部材の選定、加工方法を少しずつ検討しよう」
    【兄】「OK」
    この段階で、発想から1シーズンがアッいう間に過ぎていた。
    「試行錯誤が永遠に続いた」

    オモリとフロート部分にワイヤーやステンレス線を通したりとテストを繰り返すが全て失敗。
    しかしその後、数十回の潜水を重ねていく・・・・・。
    実証するためには、試作そして潜水。
    トコトン潜って、潜って、潜った!

    時には定置網に手が絡まり一瞬危険なめに会うことも・・・・・。
    海底の根掛り具合を確認しては次の案を考えていく。
    回数を重ねていく。潜るたびに製品の形が、寸法が、色が、堅さが、微妙に変わっていく・・・。
    「曲がるタイプで相ノ島リベンジ」

    ○月△日 (曲がるバージョンテスト:相ノ島)
    またまた、屈辱の相ノ島である。前回と同じ場所でのリベンジである。
    今度は、ウキ部分が曲がり、さらにオモリ部分も曲がり、さらに断面形状が均一で摩擦抵抗が少ないようにビニールパイプで外装を構成した。そして屈辱の同じ場所で投げてみた。

    同時にキャスティング。シュバッ・・・ズボンッ
    ・・クンッ・・カリ・・カリカリ(巻取る音)
    【僕】「・・・・・・・・。」【兄】「・・・・・・・・・・・。」
    根掛りしない・・・・ちゃない?
    もう一回、投げてみる。

    【僕】「・・・・・・・・。」【兄】「・・・・・・・・・・・。」
    こ、これは、やったんじゃない?根掛りせんやんっ!

    狂ったように投げ続ける・・。大丈夫。よし。
    根掛りしない。やったぁ~!

    完璧な勝利でした。ベラが何匹かついでに掛かった。
    帰りのフェリーでは達成感と満足感でいっぱいだった。
    【僕】「やったね!」
    【兄】「うん。やった。そろそろ実際に釣って見たいね。岩礁の大物」
    【僕】「そーやね、岩場では投げ込まれないと思っているドでかい魚に一泡ふかしてやろう」(笑)
    「新たな問題発生!水圧で変形!」

    ○月△日 (水圧の問題:関門海峡)
    その後、兄は、いろんな所で実釣した。「プルルー プルルー プルルー」

    【僕】「はい」
    【兄】 「あのくさー。ダメばい。水圧で潰れたばい」
    【僕】「あっ。深さ何mね?」
    【兄】「わからんけど深いと思う。関門海峡やけんね」
    【兄】「それと、水温が低いとパイプがガチガチになるばい」
    【僕】「やっぱしそうね」「耐寒チューブはあるけど高いしなー」
    【兄】「でも、面白いことがあったばい。近くに釣りに来ていた人が来て、「あーーーこのオモリったら根掛りせんでしょうな。こんな商品が出たんですか?」だと」
    【僕】「あはははは。(笑)で、なんて言ったと?」
    【兄】「はい。売れてるらしいです」って言った。(笑)
    【僕】(笑)
    【僕】「さっきの件やけど、中の発砲材は、硬質部材に変更する?」
    【兄】「木はどうやろか?」
    【僕】「水漏れしても機能的に変化が無い方が良いかな」
    【兄】「接着材の効果を確実に持っていけば良いのではないか」
    【僕】「ちょっと怖い。接着で気密性は100%頼ってはダメ」
    【兄】「タボ(木の棚の受け材)のようなものは?」
    【僕】「コルクは?、コルク粉は?、バルサは?」
    【兄】「空気だけは駄目か?」
    【僕】「絶対駄目!断面形状が変化したら根掛りするのは実証済」
    【兄】「じゃあ、コルクならば1本物で曲がるのではないか?」
    【僕】「・・・・・・・・」
    【兄】「・・・・・・・・」
    【僕】「うーーん。考えると、全然、調査が足らんね」
    【兄】「そうやね。よし、構成部材を、もう一回洗い直そう」
    【僕】「OK。前進前進」「思考の範囲にチャンスはナイナイ」
    ※製作上の事柄はあまり書いていませんが、いつもこんな感じでした。
    「ついに構成が決まってきた」

    【僕】「うーん。だいぶ形になってきたっちゃない?」
    【兄】「俺もそう思う。どうや」
    【僕】「合格ラインばい」
    【兄】「でも、俺はもっと爽快感を追及したい」
    【僕】「へ?」
    【兄】「細くしたい」
    【僕】「あー。自分もそう思う。でも細くすると機構的には不利な面があるよねー」
    【兄】「でも細くしたい。機能が第一条件ではあるけれども、デザインは感覚的に重要だ」
    【僕】「・・・・・・・・・」
    【兄】「何とか細くしたい」 僕は、パイプの塗装前の試作品をしばらく見て・・・
    【僕】「・・・・・・・・あっ・・・・」
    ほとんど同時にK氏も感じた。
    僕と兄は同時に思った「・・・・・スケルトン・・・・・か?」
    【僕】「これだと細く見えるばい」
    それまで、内部材は、そのままの素地で、パイプ外面を塗装していた。つまり、パイプはクリアを使用し、内部発砲材を塗装すれば二廻り細く見えた。
    【兄】「おーーカッコイイばい。全然違う」
    【僕】「ひょうたんからコマやな」
    【僕】「これなら機能を満足したまま行ける」
    その後、チューブメーカーの協力を得て、スケルトン仕様の試作品が次々にできあがってきた。 この時点で、現在の構成部材は出来がりです。 その後、実釣と並行して、形状の微調整と製品耐久テストを繰り返したあと生産準備に入り実質上の製造準備となっていきました。
    「最初の頃は手作り機械で生産」

    下写真は最終的な委託による部品の写真です。
    ①上写真の赤い部分が「トップ」です。
    ②ビニールチューブの中に入っているのが円柱オモリです。
    ③一番下についているのがボトムです(真鍮押しピン使用)

    これら①②③の製造方法の変遷を順に紹介したいと思います。 最初の頃はぜーーんぶを手作り機械で半機械化して作っていたんです。
    「トップの樹脂成型」

    【僕】シリコン樹脂で型を作りエポキシ樹脂で成型~。つまり手工業で生産開始が始まりました。
    正直、かなり大変であった。硬化に24時間。さらに10回くらいでシリコン型が劣化して型を作り直す必要があった。 量を生産するとかなり大変な作業~。でもかなりの間をコレで頑張った。ずっと先で射出成型に切り替わりましたが、そのときはホッとしたほど当時は大変な作業でした。
    「最初の頃は一個ずつ金槌で叩いて成型」

    右上の丸オモリを左下の円柱形状にしなければいけません。 最初の頃はは1個1個を型に入れては金槌で叩いてました。 しかし1セットの中にオモリは何個も必要でした。 右腕は筋肉痛。家の者からは騒音の苦情。手の平には豆ができるしまつ。
    ・・・・・・・機械作るかな?
    「手作りの機械で生産成功」

    1.5号の丸オモリを大量に自動的に潰していく機械を作った。かなり試行錯誤したけどなんとかなった。 最後に機械が連続してガッチャンガッチャンと成型されるのを見るとなんとも感動的であった。 よく手作りの機械で機能してくれたとかなり感動した。
    【僕】やっと出来た。見に来てん。
    【兄】ウソっ・・もう出来んかと思ってた。でかした。
    【僕】僕もびっくり。これでオモリは生産可能やね。

    下写真はオモリの供給ホッパです。
    「オモリ製造機 全体写真」

    下写真は、オモリ供給ホッパからホースの中を落ちてきた丸オモリを金型に入れて押し潰しては、次の丸オモリを自動的に入れ込んで押し潰しては、を繰り返す手作りの機械です。ネグロス電工という電材メーカーのパンチャーを改造してつくりました。手前にぶら下がったビニールパイプから成型されたオモリが自動的に繰り返し出てきます。
    このサイクルで連続して成型する事に成功しました。3秒に1個成型しますから1分間に20個生産します。
    (発売当時はフル回転でした。1万個くらいはこれで生産しました)
    「オモリ製造機 成型金型」

    しくみは2サイクルエンジンに少し似ています。
    シリンダーが下がったらオモリがシリンダー内に転がり込みます。 写真の白いジャバラパイプの中を丸オモリが連なって転がり込みます。 シリンダー上昇によって内部でオモリが丸から円柱に圧縮成型されます。 圧縮工程と同時に成型オモリが押し出されます。 動画が残っていないのが残念です。
    「ボトム製造機も作ってみました」

    次は、調子にのって、このボトムも自動的に成型することに挑戦しました。 このボトムは丸オモリに押しピンを通してオモリを円柱形状に成型します。 今までは一つ一つ叩いて成型していましたが、ついに機械化に手を出してしまいました。
    「ボトム製造機 全体写真」

    これが最終的に出来た半自動の「ボトム成型機」です。 かなり失敗を繰り返して、やっとで完成しました!何回もくじけそうになりました。
    完成してからは、かなりの数を生産してくれました。生活空間の一室に置いてあるのが不思議ですね。
    モータ選びなんかも負荷が高くなったら止まるくらいのモーター容量を選ぶのがコツですね。あまり強力なモーターだと金型を破損してしまいます。まさかの高負荷では押し切れないくらいのモーター選びが必要です。あとはリミットスイッチですが電流値を拾って止まるようにしました。サーマルスイッチでは熱感知なので手遅れだからです。制御盤は会社の先輩に手伝ってもらいました。何に使うのかも聞かずに引き受けてくれました・・・。
    「ボトム製造機の生産工程(しくみ)」

    かなり改造を繰り返して完成したので複雑な形状しています。 レバーを回すとオモリを押さえる蓋が回ってオモリを押さえる位置に移動します。移動するとリミットスイッチを蹴って圧縮モーターが一旦正転してシリンダーが上昇し圧縮成型されます。今度は自動でモーターが逆転して押さえ蓋が勝手にはずれます。再びシリンダーが上がってきて圧縮成型されたボトムが押し出されて出てきます。 ・・・説明しても解らないと思いますが、このサイクルで生産する機械でした。ちゃんと機能して大活躍でした。
    「ボトム製造機 ボトム成型の瞬間」

    ボトムが自動成型されて出てきた瞬間です。最初見たときは感動しました。 おおおおおおおお~。って感じです。 手作り機械でも出来たと思うとホント感動でしたね。
    「実釣テストで真鯛」

    実釣テスト中に、なんと防波堤から71cmの真鯛です。 あまり根掛りしないところでのテストでしたので根掛り防止が釣果に繋がったわけではありませんが、防波堤からこのサイズは正直びっくり。 僕もびっくり。周りの人もびっくり。
    「完成」

    こうして開拓番号001の根掛り防止ROCKは3年掛りで規格品にまで育ちました。 現在は、「ギアラボ」にて販売されています。
    注)dompotimeでは取り扱いしていません
    この解決品は、今から考えるとありえない長さのオモリからスタートしています。素人だから開発が始まって、素人だから開発を継続できて偶然に出来上がった逸品だと思います。釣りに詳しければ最初の試作さえしていないはずです。(笑)
    「雑誌に掲載されました(その1)」

    雑誌に掲載されました。
    「雑誌に掲載されました(その2)」

    雑誌に掲載されました。
    開拓番号001の報告書は以上です。
    ここまで読んで頂きありがとうございます。